大学生のバイト、150万円の壁とは?健康保険の扶養(19〜22歳)の仕組み
公開 2026-10-17・更新 2026-10-17
大学生などがバイトをするときによく聞く「150万円の壁」は、家族の健康保険の扶養の線です。19〜22歳の方は、年間の収入の見込みが150万円未満なら、家族の健康保険の扶養に入れます。それ以外の年齢の方の線は、これまでどおり130万円未満です。
この仕組みは、2025年10月1日以降の扶養の認定から始まりました。この記事では、だれが150万円の対象になるのか、年齢はいつの時点で数えるのか、税の線とどう違うのかを、公式の資料から説明します。
健康保険の扶養を最終的に判断するのは、家族が入っている健康保険(協会けんぽ・健康保険組合など)です。組合によって運用が違うことがあります。
150万円の線の中身
健康保険の扶養に入れるかどうかは、主に年間の収入で決まります。
- 原則:130万円未満
- 19歳以上23歳未満の方(配偶者を除く):150万円未満
- 60歳以上の方・障害のある方:180万円未満
19〜22歳の150万円は、配偶者には使えません。たとえば20歳で結婚している方が、配偶者の健康保険の扶養に入るときは、130万円の線のままです。150万円が使えるのは、親などに扶養される子などの立場の方です。
収入のほかに、暮らし方の条件もあります。家族と同じ家に住んでいるなら、収入が扶養する人(たとえば親)の収入の2分の1未満であること。別に住んでいるなら、収入が仕送りの額より少ないことが条件です。
学生かどうかは問わない
名前から「大学生の壁」と呼ばれることがありますが、学生であることは条件ではありません。厚生労働省のQ&Aでも、学生であることの要件は求めないとされています。
19〜22歳であれば、大学生・専門学校生のほか、フリーターの方も150万円の線になります。
年齢は「その年の12月31日」で数える
19〜22歳かどうかは、その年の12月31日の時点の年齢で判定します。誕生日がまだ来ていなくても、12月31日までに19歳になる年から、150万円の線になります。
たとえば10月に19歳の誕生日を迎える方は、その年の線が150万円未満になります。反対に、23歳になる年からは130万円に戻ります。
厚生労働省のQ&Aの例をまとめると、次のとおりです。
- 18歳になる年:130万円未満
- 19歳〜22歳になる年:150万円未満
- 23歳になる年から:130万円未満
年齢は誕生日の前日に1つ増える、という数え方をします。そのため1月1日生まれの方は、前の年の12月31日の時点で年齢が1つ増えたものとして数えます。
2026年でいうと、平成16年(2004年)1月2日から平成20年(2008年)1月1日までに生まれた方が、19〜22歳の扱いになります。
「去年の年収」ではなく「これからの見込み」
健康保険の扶養でいう年間の収入は、過去の収入ではありません。扶養に入る時点から先の、1年間の見込みの収入です。
130万円の線では、給料の月額が108,333円以下であることが目安として示されています。150万円の線には、公式の資料に月額の目安は書かれていません。150万円を12で割ると12万5,000円です。
2026年4月からは、労働条件通知書などの契約の内容から見込む年収で判定する形になりました。契約で見込めない残業代などは、年間の収入に入れません。
税の線は「1月〜12月に実際にもらった額」で見ます。健康保険の扶養は「これから1年の見込み」で見ます。同じ「年収」でも、数え方が違います。
なお、年間の収入には給料のほか、失業したときの給付や、公的な年金なども入ります。
もう1つ気をつけたいのが交通費(通勤手当)です。税の計算では、決まった範囲の通勤手当は給料に入れません。一方、健康保険の扶養の年間の収入には、通勤手当などの手当も入ります。たとえば月の給料が11万円で、交通費が月1万円なら、健康保険の扶養では月12万円として見られます。
この記事の数字で、自分の場合を計算する今年あと何円・何時間?税の線とは別のもの
19〜22歳の方には、健康保険の150万円のほかに、税の線もあります。どれも別の決まりです。2026年分の、給料だけの方の主な線は次のとおりです。
- 119万円:本人の住民税(所得割)がかかり始める線(本人ひとり・扶養する家族がいない場合)。均等割の線は市区町村で違い、およそ112万〜119万円
- 136万円:親の扶養控除(特定扶養控除)の線
- 159万円:136万円を超えても、ここまでは親の控除の額(63万円)が変わらない。この仕組みを「特定親族特別控除」という
- 178万円:本人の所得税がかかり始める線(2026年分・2027年分の特例)
金額は、給料だけで、ほかの控除がない場合の目安です。全員が同じ金額になるわけではありません。
健康保険の150万円は「未満」、税の線は「以下」です。たとえば年収がちょうど150万円の見込みなら、健康保険の扶養の線には届いています。
勤め先の社会保険との関係
勤め先の社会保険(健康保険・厚生年金)に入る線は、2026年10月1日から年収ではなく週20時間以上の働く時間で決まるようになりました。ただし、学生ではないことも要件の1つなので、学生の方は原則として対象になりません。くわしい扱いは、勤め先で確かめてください。
学生でない19〜22歳の方は、週20時間以上で、勤め先の従業員が51人以上などの要件に当たると、勤め先の社会保険に入ります。そうなると、家族の扶養からは外れます。
線を超える見込みになったら
家族の健康保険の扶養から外れると、勤め先の健康保険に入らない場合は、本人が国民健康保険に入ることになります。手続きの仕方や時期は、家族が入っている健康保険や、住んでいる市区町村で確かめてください。
国民年金は、20歳になると扶養かどうかに関係なく入るものです。健康保険の扶養の線とは別の話です。
自分の場合を知るには
どの線まであと何円あるかは、今年もらった給料と、これからの時給・時間で変わります。このサイトの計算で「19〜22歳で、親などに扶養されている」を選ぶと、健康保険の150万円と、親の控除の線、本人の税の線までの「あと何円・あと何時間」を一度に出せます。
自分の場合は、あと何円・何時間?(計算する)出どころ
- 厚生労働省「19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定に関するQ&A」(令和7年7月4日)https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc9628&dataType=1&pageNo=1
- 日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」(更新 2026-09-30)https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20141202.html
- 厚生労働省 通知「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて」(令和7年10月1日)https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc9348&dataType=1&pageNo=1
- 日本年金機構「2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/jigyosho/2026/202610/100104.html
- 国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/2026kaisei.pdf
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2026/pdf/nencho_all.pdf
この記事は、公開されている法令と公的機関の資料をもとに AI を使って下書きし、数字を資料と照らして確かめてから公開しています。制度が変わったときは書き直します。